[原子力産業新聞] 2008年3月27日 第2422号 <1面> |
原子力比率ほぼ50%に エネ調・需給部会が2030年見通し総合資源エネルギー調査会の需給部会(部会長=黒田昌裕・内閣府経済社会総合研究所所長)は19日の会合で、2030年までのエネルギー需給見通しをまとめた。最先端エネルギー技術の導入レベルに基づき3つのケースを想定、最大導入ケースでは30年度の発電電力量は05年度比10%減となり、原子力構成比(=図)は同18ポイント上昇、49%になるとした。 今回策定の30年見通しは、新・国家エネルギー戦略(05年5月策定)の目標達成に向け、エネルギー技術戦略(07年3月策定)に示す最先端エネルギー技術の進展と導入効果が最大限発揮された場合に想定される需給構造を描いている。 3つのケースは、最先端エネルギー技術が導入されない「現状固定ケース」、既存技術で努力を継続する「努力継続ケース」、同技術を最大に普及させる「最大限導入ケース」。 発電電力量は、現状固定が05年度比45%増の1兆4,245億kWh、努力継続同18%増の1兆1,569億kWh、最大導入同10%減の8,908億kWhと予測。 原子力の発電電力量は3ケースとも同44%増の4,374億kWhで、構成比は現状固定が同横ばい、努力継続が同7ポイント増、最大導入が同18ポイント増。20年度も併せて予測し、同3ポイント増、同9ポイント増、同13ポイント増。原子力の前提は、07年度電力供給計画の新設計画13基の内9基の新設、設備利用率約80%とした。 今回の需給見通しでは30年度のエネルギー起源二酸化炭素排出量の見通しも示しており、現状固定が05年度比11%増(90年度比23%増)、努力継続が同5%減(同6%増)、最大導入が同22%減(同13%減)としている。 |