[原子力産業新聞] 2008年3月27日 第2422号 <4面>

地元でレーザー利用推進 原子力機構 福井大や地場産業と

原子力機構は4月1日付けで、敦賀本部に「関西光科学研究所レーザー技術利用推進室」を設置する。

「レーザー技術利用推進室」の設置によって、これまで関西光科学研究所に蓄積されたレーザー技術などを活用して、福井県内の大学や企業などとの共同研究などを開始しやすくなり、レーザー関連技術を「もんじゅ」や「ふげん」などの原子力施設へ適用する研究が一層進むことも期待されている。

例えば、福井大学との「高温機器・配管オンライン監視技術に関する研究開発」では、高速増殖炉の状態監視用のセンサーを開発し、高温機器の着目部位を遠隔で多点、リアルタイム、連続でモニタリングし、ひずみ、温度、振動などを測定できるようにすることを共同研究する。

具体的には、常温ではすでに実用化されているFBGセンサー(光ファイバーにレーザーで微細な格子を書き込んだもの)を高温でも使用可能にし、配管の湾曲エルボ部などの変形が集中する部位に高温用FBGセンサーを取り付け、ひずみなどの遠隔監視を行えるようにする。

また、福井県の産業界が持つ金属粉のレーザー焼結技術と同機構の検査技術およびレーザー技術とを組み合わせ、レーザーを利用した亀裂補修技術なども協力して開発する。


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