[原子力産業新聞] 2008年3月27日 第2422号 <4面>

革新的原子力で報告書 東京工大 21世紀COE事業が終了

東京工業大学・原子炉工学研究所はこのほど、文部科学省21世紀COEプログラム「世界の持続的発展を支える革新的原子力」が今年度末で5年間の活動を終了するのに当り、「革新的原子力ロードマップ」と題する報告書を取りまとめた。

報告書は、環境、エネルギー、省エネ、再生可能エネルギーなどの面から21世紀を展望し、科学技術と社会の関係について、「社会は科学技術の発展によって大きく変化し、科学技術もその時代の社会の価値観を通して強く影響を受ける」=「共進化」の関係にあると主張、電気の発生源が「化石燃料か原子力かについて社会が考える仕組みになっていない」と指摘している。

核燃料の製造や再処理施設を原子炉に併設する「原子力パーク」構想を提唱し、CANDLE燃焼炉、鉛合金炉、核変換・分離技術などの概念を追及している。さらに国際的リーダー人材の育成、国際拠点形成などの必要性にも言及。これらの研究が20年後までにかなりの成果を挙げることができれば、報告書は「2020〜30年頃には、原子力は現在に比べて格段に受け入れやすい技術になっていると考える」との展望を示している。


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