[原子力産業新聞] 2008年4月3日 第2423号 <2面>

「処分場にしない確約を」 再処理工場の操業前に文書で 青森県知事が経産相に要請

三村申吾青森県知事は3月27日、甘利明経済産業大臣を訪れ、「県を放射性廃棄物の最終処分地にしない」ことを文書で確約するよう要請した。ガラス固化体貯蔵に伴い、「なし崩し的に処分地になるのでは」という県民の不安から、先々代知事から国との約束を引き継いできたもの。知事の要請を受け、近く文書が交わされる見通し。

「知事の了承なくして青森を最終処分地にしない」ことについては、過去2回、県は国から確約文書を得ている。六ヶ所再処理工場の本格操業を控え、県議会の与党は、野党が提出していた「青森県を放射性廃棄物の最終処分地にしないことを宣言する条例案」を、「確約文書には十分な重みがある」として先月11日に否決した。

今回の要請について三村知事は、議会の動きも踏まえ、「現職の知事として、改めて国から確約文書を得る必要に至った」ものとしている。

甘利経産相は、先代知事から続く県との約束について、「微動だにせず」と述べ、文書にて確約すると回答した。これまでの県と国との確約文書には、「知事の了承なくして」という文言が付いており、新たに交わされる文書にも残されるかどうかが焦点になりそうだ。


Copyright (C) 2008 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.