[原子力産業新聞] 2008年4月3日 第2423号 <2面>

陸海域の地質調査概要 柏崎刈羽 地震・地盤WGに報告

東京電力は3月27日の総合資源エネルギー調査会の地震・津波・地質・地盤合同WG(主査=阿部勝征・東大名誉教授)に、柏崎刈羽原子力発電所周辺の海域と陸域における地質調査の概要を報告した。両域の各断層とも従来通り個別断層との考え方を基本とするが、同時活動も考慮するとした。同WGは次回以降、より詳細な地質データをもとに各断層評価の妥当性を検討する。

海域断層では、@同発電所の北に位置する佐渡島棚東縁部(南)断層(長さ約37km)A北西に位置し、発電所から約20kmと最も近いF―B断層(同約30km)B西に位置するF―D断層(同約25km)C同じく高田沖断層(同約23km)――の評価概要を示した。今回の地質調査データを基に、それぞれ個別断層との評価を基本とするが、F―D断層と高田沖断層は同時活動性も考慮するとした。

委員からはF―B断層に関し、南側延長をどこまでと考えるかが重要、北側はかなり新しい時期に変形した可能性があるなどの意見が出された。

政府の地震調査研究推進本部は中越沖地震に関する今年1月の総合評価で、同地震の原因となった断層活動はF―B断層と連続している可能性を示唆しており、今後の検討は同断層に重点が置かれる見通し。

一方、陸域断層では今回、長岡平野西縁断層帯を構成し、@同発電所から北東に位置する角田・弥彦断層(同約54km)A同じく気比ノ宮断層(約22km)B東に位置し、発電所から約20kmと最も近い上富岡断層と片貝断層(約16km)の評価概要を提示。それぞれ個別断層としての評価を基本とするが、これら断層の同時活動も考慮するとした。

同断層帯では、04年に地震調査研究推進本部が、約80km以上に及ぶ断層帯全体を一区間とし、M8.0程度の地震が発生する可能性がある、と評価している。


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