[原子力産業新聞] 2008年4月10日 第2424号 <2面> |
必要技術で原子力重視 科技会議WG 環境エネの中間報告総合科学技術会議の環境エネルギー技術革新計画WG(座長=薬師寺泰蔵・総合科学技術会議議員)は2日の会合で、環境エネルギー技術革新計画の中間報告を取りまとめた。原子力では、温室効果ガス削減効果が大きく短中期的対策に必要な技術に軽水炉の高度利用、同じく中長期的に必要な革新技術に次世代軽水炉・FBRサイクル・高温ガス炉・核融合などを挙げた。 報告は、我が国の低炭素化社会実現に向けた技術戦略および国際的な削減への貢献で構成。 技術戦略は30年頃までの短中期的対策に必要な技術、30年以降の中長期的対策に必要な革新技術に区分。供給側の短中期的技術は軽水炉の高度利用と高効率火力発電を挙げた。削減効果の大きな軽水炉を安定的に利用・拡大するための環境整備が必要としている。 供給側の中長期的革新技術は、第2・第3世代太陽光発電など再生可能エネの利用促進、飛躍的高効率の火力発電、次世代軽水炉、FBR、水素製造技術(高温ガス炉等)超伝導送電、電力貯蔵など。長期的に研究開発すべきテーマに核融合や宇宙太陽光発電を挙げた。 同報告では各技術を削減効果、国際競争力、市場規模などで3から4段階で評価、原子力は削減効果や国際競争力などで評価が高い。 原子力の国際的貢献では、発展途上国が核不拡散、安全性確保および核セキュリティに十分配慮しつつ円滑に導入できるよう、相手国の基盤整備に積極的に貢献し、我が国の優れた技術を国際的に展開するとしている。 同報告の原子力関係は先月、原子力委員会がまとめた「原子力の革新的技術開発ロードマップ」の内容を反映している。今月10日開催の総合科学技術会議に報告する。 |