[原子力産業新聞] 2008年4月10日 第2424号 <3面>

フル操業に向け加速 操業を再開した英THORP

先月より再処理を再開した英国セラフィールドの酸化物燃料再処理工場(THORP)で、3年ぶりとなるフル操業に向けた準備が急ピッチで進められている。

THORPでは英国の改良型ガス冷却炉(AGR)の使用済み燃料だけでなく、海外から委託された軽水炉燃料の再処理も実施している。

THORPは2005年4月に発覚した使用済み燃料の硝酸溶液漏洩により操業を停止したが、改良工事を実施し、昨年1月に保健安全執行部(HSE)から操業再開を認可された。

ただし、蒸発缶の容量不足により処理量が限定されフル操業に入れず、昨年末までに最新の蒸発缶を設置。今年の1月28日から、再処理の前処理工程にあたる「使用済み燃料のせん断」を開始した。

しかし燃料貯蔵プールから集合体を取り出し、スロープでせん断機へ送り込む工程で不具合が発生したため、必要な機器を交換。3月16日から操業を再開していた。THORPを運転しているセラフィールド社は、今後徐々に処理ペースを上げ、早い時期にフル操業に持ち込みたい考えだ。


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