[原子力産業新聞] 2008年4月24日 第2426号 <3面> |
2020年に原子力40GW 中国原子力産業協会 事務局次長 フェン・イー氏世界最大の発展途上国である中国は現在、世界第2位のエネルギーの生産国であるとともに世界第2位のエネルギー消費国である。石炭の埋蔵量や水力資源は豊富だが、石油や天然ガスの既知資源量は少ない。また、広大な国土のためエネルギーの分配もアンバランスで、石炭や石油を北部から南部へ輸送し、天然ガスや電力を西部から東部へ送る大規模インフラが不可欠になっている。 こうしたことから、東部の海岸沿いに建設出来る原子力発電が欠かせない存在となっており、積極的な原子力発電建設計画を推進しているが、総発電電力量の電源別シェアを見ると、火力が83.12%、水力が14.7%に対し、原子力発電はわずか1.93%にとどまっているのが現状だ。 中国では現在11基、計900万kWの原子力発電所が運転中。2007年の総発電電力量は628億6,000万kWhで、5,000万トン分のCO2排出量の削減に寄与した。 さらに12基、計1,190万kWの原子力発電所が建設中、14基、計1,540万kWの原子力発電所が5年内に着工される予定だ。長期的には、2020年までに計4,000万kWの原子力発電所を運転し、計1,800万kWの原子力発電所を着工する。同時に技術の国産化、運転実績・安全性・経済性・規制システムの向上も、並行して実施する。 そのために、現行の原子力発電所管理体制を市場経済に沿った形で改革すると同時に、研究開発や人材育成を強化。原子燃料の確保だけでなく、バックエンドやデコミ分野の資金手当ても確保していきたい。 |