[原子力産業新聞] 2008年4月24日 第2426号 <4面> |
存在感増す原子力大国 仏原子力庁 原子力開発局長 フィリップ・プラデル氏フランスは電力需要の75%から80%を原子力でまかなっており、仏電力公社(EDF)が、競争力の高い電力を西欧諸国へ輸出している。 フランスの原子力発電所は、主に80〜90年代に運開したものが多く、運転認可の更新問題が出てくるのは、2020年頃からだ。現在、第3世代のEPRをフィンランドとフランスで建設しており、将来必要になるリプレースのための経験を培っている。またEPRは、中国から2基を発注されている。 70年代からフランスは、使用済み燃料と核廃棄物の問題に取り組んできた。再処理業界はすでに成熟している。濃縮分野では、遠心分離法を採用したジョルジュ・ベッセ2プラントの建設も始まっている。 仏原子力庁(CEA)では、原子力ルネサンスの中で出てきた課題に対し、研究開発分野から、原子力産業界を支援していこうと考えている。昨年4月にCEA、アレバ、EDFとの間で結ばれた合意では、(1)既存原子力発電所の運転実績の向上(2)国内外でのEPR導入支援(3)将来のシステム開発――の3点での支援が挙げられている。 そのために、既存炉の出力増強と設備利用率向上、運転期間の延長を実施。2020年頃からは、EPRへのリプレースを開始。2040年頃からは高速炉へのリプレース、ということになるだろう。 高速炉については、日本とフランスが、30年以上の協力関係をつちかっており、実際に2020年の目標に向かって、詳細なロードマップを描いているところだ。 また、高速炉の研究と並行して、関連する燃料サイクル技術に関しても同様の移行を進めていく。それにより、使用済み燃料の国際的再処理にも対応していきたい。 フランスは原子力ルネサンスの潮流の中で、これまでの経験を活かし、原子力の導入を検討している国々を支援していく。 |