[原子力産業新聞] 2008年5月1日 第2427号 <3面>

フィンランド オルキルオト4号機 新設で原則決定申請

フィンランドのテオリスーデン・ボイマ社(TVO)は4月25日、新規原子力発電所の増設に関する原則決定(DIP)を、雇用経済省に申請した。TVOは現在、オルキルオト3号機(EPR、170万kW)を建設中だが、今後さらに同4号機の建設プロジェクトについても、本腰を入れることになる。

同国では原子力法によって原子力発電所の建設許認可手続きがいくつかのステップに分かれており、終了まで通常では数年がかかる。

今回の申し入れは一番最初のステップで、政府に新規建設の原則決定を求めるもの。まず政府が新規立地の是非を検討し、承認された場合、さらに議会で審議される。そして議会の承認を受けた時点で初めて、TVOは新規発電所の建設許可を申請することが出来る。

決定されればフィンランド6基目となる原子力発電所は、既存のオルキルオト原子力発電所に4号機として増設される。炉型は未定だが、出力は100〜180万kW級を想定している。建設コストは炉型に左右されるが、30〜40億ユーロと見積もられている。TVOは2010年代に着工し、2020年までに運開させたい考えだ。

フィンランドでは電力需要の増大に備え、2020年までに数百万kWの新規発電設備容量が必要になると予測されている。同国の昨年の総電力需要量は903億100万kWh(前年比0.3%増)で、エネルギー源別の内訳を見ると、原子力の24.9%を筆頭に、水力=15.5%、石炭=14.8%、天然ガス=11.4%、バイオ燃料=10.9%、泥炭=10.9%、廃棄物燃料=0.7%、石油=0.4%、風力=0.2%。電力輸入量は13.9%を占めている。また、昨年のCO排出量は1,760万トン(CO換算 以下同)となり、前年から240万トンの削減に成功したという。

原子力発電所の運転実績も好調で、ロビーサ発電所(VVER440、51万kW×2基)の平均設備利用率は95.4%、オルキルオト発電所(BWR、89万kW×2基)は95.6%だった。建設中のオルキルオト3号機は、2011年夏に運開する予定だ。


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