[原子力産業新聞] 2008年5月15日 第2428号 <1面> |
15年までに33基受注 東芝 西田社長が経営方針東芝は8日、経営方針説明会を開き、西田厚聰社長(=写真)が各事業の戦略などを発表した。原子力事業では、(1)2015年度までに33基の受注を見込む(2)20年度に現在の2倍以上の1兆円の事業規模とする(3)10年度までに京浜事業所で500億円の設備投資を行い、原子力タービンなどの製造能力を増強する――などの計画を示した。 西田社長は、ウェスチングハウス(WH)社買収後の動向として、米国では31基/15電力グループがCOL(建設・運転一括許可)を申請あるいは準備中で、この内16基が「AP1000」、2基が「ABWR」と説明。現在までの東芝グループの受注実績は「AP1000」が米国で6基、中国で4基だが、南アや英国などでも拡販活動中と強調。「ABWR」も米国で2基の受注が決まり、「やや保守的に見てグループとして、15年までに合計で33基の受注が見込める」とした。好調な受注で、WH社買収資金の回収期間を、買収時計画の17年から13年に短縮する。 事業拡大に対応、原子力機器の製造能力、プラントの建設能力を増強。まず京浜事業所のタービン製造能力を増強、アライアンスによる増強も検討する。エンジニアリング機能は、磯子に建設している新棟が今年末に完成、07年度に対し技術者を1.4倍に増員する。 一方、燃料ビジネスではウラン生産と濃縮分野への進出を加速するためウラン権益の獲得、サプライヤー囲い込みによるグループ形成などを推進。バックエンドでは先進再処理技術やFBRサイクル技術の開発に注力。乾式再処理技術の開発、WH社との連携によるGNEPでのリードなどを重点項目に挙げた。 |