[原子力産業新聞] 2008年5月15日 第2428号 <2面>

活断層評価を中間報告 東京電力 柏崎周辺の陸海域で

東京電力は12日、中越沖地震を踏まえた柏崎刈羽原子力発電所周辺の地質・地質構造調査の中間報告を経済産業省に提出した。陸域で4つ、海域で5つの活断層の評価結果を示した上、陸域では長岡平野西縁断層帯を発電所へ最も影響を与える活断層と評価した。

中越沖地震を受け、発電所敷地中心から半径30kmの陸域と、同海岸線と平行方向に約140km、海岸から沖合方向に約50kmの範囲の海域について実施した地質調査結果、および耐震設計審査指針改訂に照らした地質調査を踏まえて活断層の評価を行った。

陸域では、地震調査研究推進本部による長岡平野西縁断層帯を発電所敷地へ最も影響を与える活断層と評価し、これを構成する角田・弥彦断層、気比ノ宮断層、片貝断層に関しては、それぞれ単独に活動する断層と考えられたが、近接していることから、安全サイドの判断として、3つの断層(約90km)が同時に活動することを考慮した。海域では、主な活断層として、佐渡島棚東縁断層、F―B断層、佐渡島棚南方断層、F―D断層、高田沖断層の5つを評価し、F―D断層、高田沖断層はそれぞれ単独で活動する断層と考えられたが、安全サイドの判断として、両断層(約55km)が同時に活動することを考慮した。

本調査結果は13日、総合資源エネルギー調査会の耐震・構造設計小委員会WGに報告された。同委では引き続き、これについて評価を実施し、基準地震動策定に資することとしている。


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