[原子力産業新聞] 2008年5月15日 第2428号 <4面>

【わが国の原子力発電所運転速報】 福島第一5号機が運開30年 4月利用率、5年ぶりの40%台

日本原子力産業協会調べによると、08年4月の国内原子力発電稼働状況は、設備利用率が49.1%で、前年度月ベースで最も低水準となった3月(52.9%)からさらに後退したほか、総発電電力量も174億8,055万kWh(対前年同期比24.4%減)に留まるなど、東京電力柏崎刈羽全号機の停止に加えて、冬季電力需要ピーク後の定期検査入りを反映し、極めて低調だった。設備利用率が50%を下回ったのは、一斉点検の影響を受けた03年6月(46.9%)以来のこと。因みに、昨年7月以前から継続停止しているプラント(試運転除く、11基)を除外すると62.5%となる。

全般に低調な中、前月に設備利用率105.4%をマークした九州電力川内1号機は、この4月も105.2%と、引き続き首位に立つ健闘ぶり。関西電力美浜3号機も105.0%に達するなど好調だった。

東京電力福島第一発電所では、5号機が4月18日、78年の運転開始から30周年を迎えた。福島県の大熊町(1〜4号機)と双葉町(5、6号機)にまたがる同所プラント6基のうち、5号機は双葉町側では最初にデビューした。

蒸気タービン羽根点検に伴い、長らく停止していた北陸電力志賀2号機は、4月1日に試験発電開始にこぎ着けたものの、気体廃棄物処理系の水素濃度上昇等により翌2日、点検のため再び停止。

その他、月内では、四国電力伊方1号機が定検入りし、一方、定検中の東京電力福島第二4号機と中国電力島根1号機の2基が発電を再開した。4月末時点、28基が停止中となっており、来る盛夏需要期に備え、早期の戦列復帰が望まれるところだ。


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