[原子力産業新聞] 2008年5月22日 第2429号 <1面> |
免震重要棟を建設 柏崎刈羽 来月着工へ東京電力は15日、柏崎刈羽原子力発電所に、震度7クラスの地震でも緊急時対策室や重要設備の機能を確保できる「免震重要棟」(=完成予想図)を建設すると発表した。今年6月に工事を開始、来年夏の完成を目指す。 今回の中越沖地震で、緊急時対応のための一部施設に被害が発生、対応に支障が出たことを教訓としている。「免震重要棟」は建築面積約2,000平方メートル、延床面積約4,000平方メートルの地上2階建で、高さ約12.5mの鉄骨鉄筋コンクリート造り。1号機近くの事務本館に隣接して建設する。 関係機関とのホットライン、テレビ会議室などを持つ緊急時対策室、通信設備、自家発電用設備を含む電源設備、コンピュータ室などの各施設を有する。 免震構造として、地震の揺れの周期を伸ばすため、建物と地盤との間に摩擦の少ない滑り支承を配置するとともに、滑り支承の外周部には揺れによる変形を元に戻すため、変形性に優れた大口径の積層ゴムを設置する方式を採用。これにより震度7クラスの地震でも建物の躯体が損傷せず、揺れも3分の1から4分の1程度に低減できる。 |