[原子力産業新聞] 2008年5月22日 第2429号 <3面> |
仏アレバ 遠心分離法ウラン濃縮工場で 米アイダホ州をサイト選定仏アレバ社は6日、米国の原子力発電所向けにウラン濃縮サービスを提供する遠心分離法濃縮施設の建設サイトとして、米アイダホ州ボンネビル郡のアイダホ・フォールズを選定したと発表した。 高度な技術解析および環境、社会経済的な分析の結果に基づいて同社が選定したというサイトは、アイダホ国立研究所に近いアイダホ・フォールズの西18マイルに位置している。同社は今後、濃縮施設の建設・操業について米原子力規制委員会(NRC)からライセンスを取得するほか、連邦政府や州政府および地元当局に対しても認可手続きを取る計画だ。 同濃縮施設は、アレバ社が子会社であるエンリッチメント・テクノロジー社から移転された最先端の遠心分離技術を使って建設するもので、総投資額は数十億ドル。欧州における30年以上もの研究開発により確立された技術であり、使用電力はガス拡散法の50分の1程度だとアレバ社は説明している。 同社はまた、施設の建設および操業段階を通じて創出される高度技術者の雇用数は数百人分に達すると予想。原子力事業との関りが深いアイダホ・フォールズに同施設が地元コミュニティの新たなメンバーとして受け入れられたことから、同社としても地元経済に多様性と活力をもたらせるような長期的なパートナーシップを構築していきたいとの決意を表明している。 アレバ社は現在、仏国内で30年以上に渡ってジョルジュ・ベス・ガス拡散法濃縮工場を操業しているほか、遠心分離法による濃縮施設となるジョルジュ・ベスIIを2009年の操業開始を目指して建設中である。 |