[原子力産業新聞] 2008年5月29日 第2430号 <1面>

RI研廃の処分へ前進 法改正 参院で全会一致で成立

参議院は28日の本会議で、日本原子力研究開発機構が他者の研究施設等廃棄物(RI研廃)も含め、同廃棄物処分の実施主体となる機構法改正案を共産党、社民党も含め全会一致(賛成236)で可決した。これにより同法案が成立、昨年末時点で全国に200リットル・ドラム缶換算で約55万本保管されている同廃棄物処分の枠組みが整った。改正法は今年8月中にも施行の運びで、今後、原子力機構や文部科学省による処分地選定が本格化する。

同院・文教科学委員会では27日に改正法案の質疑を行い、全会一致で可決、各派共同提案による附帯決議も全会一致で採択した。附帯決議は8項目で、積極的な情報公開に努め、処分地選定では地域住民の理解と協力を得る努力を求めた。

改正法施行後、政府は処分業務の実施に関する基本方針を示し、原子力機構はこれを基に実施計画を策定、政府の承認を得る。処分地の選定基準等も同計画に盛り込む。

委員会の質疑で渡海紀三朗・文部科学相は、「施行後、数か月以内には基本方針を出す」と述べ、早期に実施計画を策定する意向を示した。また処分地の立地について、「国も積極的に責任を果たす」と述べた。


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