[原子力産業新聞] 2008年5月29日 第2430号 <3面>

環境影響評価計画を再提出 フィンランドポシバ社 最終処分場を1.2万トンに拡張

フィンランドで使用済み燃料の最終処分場建設計画を進めているポシバ社は13日、処分場の処理量を9,000トン(ウラン換算)から1万2,000トンに拡張するための環境影響評価(EIA)計画書を雇用経済省に提出した。

これは同社の親会社の1つであるフォータム社が、ロビーサ原子力発電所に3号機の増設を検討していることから必要となった措置。同社はすでに4月25日、同社のもう1つの親会社であるテオリスーデン・ボイマ社(TVO)がオルキルオト原子力発電所に4号機を増設する原則決定(DIP)を雇用経済省に申請したのを受け、同炉からの使用済み燃料も処分できるよう処分場の規模を当初予定の6,500トンから9,000トンに変更するDIPを申請したばかりだった。

ポシバ社は同処分場建設に関わる最初の環境影響評価報告書(EIAレポート)を1999年に提出。4月のDIP申請に際してはその改訂版を添付していたが、今回の更なる3,000トン分の拡張計画により、新たなEIA手続きが必要になったとしている。

使用済み燃料の最終処分場はサイトであるオルキルオト島の地上と地下の両方に設備が建設される予定だが、処分量の拡大は岩盤内の地下施設建設に直接影響が及ぶ。仮にロビーサ3号機の建設が実現すれば、同炉からの使用済み燃料処分は早ければ2070年代に開始することになると同社では予想している。

新たなEIA手続きとしては、まず雇用経済省がポシバ社のEIA計画書を公開し、同省からのコメントを含めて一般からもコメントや意見を募集。ポシバ社はそれらに基づいてEIA報告書を作成するという段取りとなるため、手続きのすべてが完了するのは来年初頭になる見込みだ。

処分場建設サイトでは現在、ポシバ社が地下岩盤特性調査施設(ONKALO)の建設を進めており、この施設から得られる情報を活用して同社は2012年頃に最終処分場の建設許可を政府に申請する計画。地下トンネルの掘削作業はすでに地下300mほどの深さに約3kmの長さまで達しているが、来年には深さ400mまで掘り進む予定であり、最終処分場としての操業開始は2020年頃になるとの見通しを示している。


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