[原子力産業新聞] 2008年6月5日 第2431号 <1面>

新規導入国支援を本格検討 保安院が原子力安全で エネ調にWG設置

原子力安全・保安院は、アジア諸国をはじめとする新興国の原子力発電導入拡大に対応し、こうした国々の原子力安全への協力方針の本格検討を開始する。総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会の原子力安全基盤小委員会の下に「国際原子力安全ワーキンググループ」(主査=関村直人・東大教授)を設置し、今年9月頃までに基本方針や対応をまとめる。

同WGの設置は、2日開催の同小委員会の会合で決定した。

新たに原子力導入を計画する国に対しては、IAEA(国際原子力機関)などの国際機関、INRA(国際原子力規制者会合)などの多国間レジームなどがこれを支援する動きを見せる。一方、原子力先進国では、国際安全基準の策定とともに、各国安全規制の統一化を目指すなど、これまでにない新しい活動も始まっている。保安院は、従来から新規の原子力導入国に対し、二国間や多国間の国際協力を実施してきたが、これまで様々な案件に個々に対応するという面があった。

今回のWGの設置は、大きく変化する原子力を巡る世界情勢に対応、国際協力活動全般に関する基本方針を策定し、この方針に沿い、より能動的な原子力安全の国際協力の展開を目指すもの。

同WGでは各国の原子力安全支援ニーズ、国際機関などの原子力安全に関する活動を把握した上で、我が国が国際活動を展開するための基本方針や関係機関との連携などを検討する。

今後、月1〜2回程度の会合を重ね、9月に予定している次回の同小委員会に一定の結論を報告するとしている。

なお同小委員会では、「安全基盤研究WG」の設置も今回、正式に決定した。産業界の動向と保安院の規制のための安全研究の整合性を審議し、同小委員会に報告する。


Copyright (C) 2008 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.