[原子力産業新聞] 2008年6月5日 第2431号 <1面>

物流事業化で準備室設置 RANDEC 研究所等廃棄物で

原子力研究バックエンド推進センターは1日付けで、研究所等低レベル放射性廃棄物の処分に向けた検討を進めるため、「物流システム事業化準備室」(室長=森久起・同センター常務理事)を立ち上げた。

日本原子力研究開発機構が民間や大学の研究施設等廃棄物も含め、同廃棄物処分の実施主体となる同機構法改正案が5月28日の参議院本会議で可決・成立したことから、埋設処分場の立地(3年後の安全審査入り、7年後に着工、9年後に操業開始を想定)計画に合わせる形で、必要事項を検討する。

大学や民間などの廃棄物発生事業所は現在、放射線医学総合研究所や核物質管理センターなども含め約80事業者・100事業所が全国各地に点在し、その低レベル放射性廃棄物の保管管理量も各々100本程度から1万本を超える事業所まで幅広く、用途も種類も千差万別、ほとんどの事業者では廃棄物発生量も多くないことから、個々の事業者で廃棄体にまでする処理施設を所有することは経済的にも合理的ではなく、共同で廃棄体化処理施設を建設することが合理的と考えられている。

このため同センターでは、民間の有力関連企業からも資金と人材の協力を得て、「物流システム事業化準備室」を設置したもの。事業計画部、技術部、設備準備部の3部を置き、計7名でスタート、準備の進展により増員を図る方針だ。

同準備室では、@物流システムのビジネスモデルの検討A物流システムの経済性評価などの事業成立性評価B廃棄物の開梱分別(中身の確認等)および処理方法の検討C廃棄体の検認方法等の品質管理方策の検討(濃度上限値以下の確認、所有事業者別のデータベースの整備など)D処理施設の概念検討E物流システム拠点立地検討――などを行う。


Copyright (C) 2008 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.