[原子力産業新聞] 2008年6月12日 第2432号 <3面> |
中国とロシア遠心分離法濃縮で協力協定を締結ロシアの国営原子力総合企業であるロスアトム社は5月25日、ロシアと中国が遠心分離法ウラン濃縮に関する協力協定を結んだと発表した。 これは両国の原子力平和利用分野における経済協力の一環として、ロスアトム社の傘下で燃料サービス事業を扱っているTENEX社と中国原子能工業公司(CNEIC)との間で結ばれたもの。主要なポイントは、(1)中国における遠心分離法ウラン濃縮工場の新規ユニット建設に対する技術協力(2)ロシアから中国への濃縮ウラン供給−などに関する契約の基本項目であるとしている。 この協定の枠組みとなる協力協定についてはすでに昨年11月、両国の首脳がモスクワで調印しており、TENEX社は中国で4基目となる遠心分離濃縮工場(年間容量500トンSWU)の建設に協力するとともに、2010年から11年間にわたってCNEICに低濃縮ウランを供給する、などが明記されていた。 今回の協定締結に先立つ5月23日にはロシアのD.メドベージェフ大統領が就任後初めて中国を訪問し、胡錦濤国家主席と両国間の経済協力分野について会談。同大統領にはロスアトム社のS.キリエンコ総裁やS.シュマトコ・エネルギー大臣らが随行していたことから、原子力の平和利用分野は特に重要との点で見解が一致したものと見られている。 |