[原子力産業新聞] 2008年6月12日 第2432号 <3面>

テピア総研 中国の原子力動向まとめ 計画中原子炉 141基、1億4,000万kW

日中両国に拠点を置くテピア・グループ(劉炳義代表)の専属研究機関であるテピア総合研究所は9日、中国における原子力発電開発の現状をとりまとめ発表した。

それによると、5月末時点で中国で運転中の原子力発電所は11基、906.8万kW。建設中は、今年2月に福建省で着工したという寧徳T期発電所1、2号機(※最終的に111万kWのPWR×4基)を含めて12基、1,234万kW。計画中は141基、1億4,520万kWで、合計は164基、1億6,660.8万kWになるとしている。

テピア総研の今回の調べでは、計画中の原子力発電所は18の省・自治区および直轄市に設置されることになっており、規模が未定の福建省・南平、陜西省・安康あるいは漢中、甘粛省・白銀の計画を除いた15の省・自治区・直轄市の設置分だけで141基、1億4,520万kWに達すると指摘した。

これらのうち、東芝傘下のウェスチングハウス(WH)社が開発したAP1000が採用されるのは、山東省の海陽発電所や浙江省の三門発電所、福建省の□注1)州発電所、江西省の彭澤発電所、湖南省の桃花江発電所、重慶市の□注2)陵発電所など合計30基にのぼるとしている。

また、中国がフランスの技術をベースに独自に設計した100万kW級PWRであるCPR1000型炉は、現段階では安徽省の蕪湖発電所や広東省の陽江発電所、広西壮族自治区の白龍発電所の合計16基に採用される予定だという。

さらに、仏アレバ社が開発したEPRは広東省の台山発電所T期発電所の2基に決まっているほか、田湾T期発電所に採用されたロシア製PWRは同U期発電所の採用に向けて、中国とロシアが最終的な交渉を行っているとしている。

テピア総研はこれ以外では、2006年2月に「国家中長期科技発展計画」(2006〜2020年)の特別プロジェクトとして盛り込まれた高温ガス炉(HTGR)原型炉計画が山東省の栄成発電所として09年9月に正式に着工し、2013年末に送電を開始する予定であることを明らかにした。

なおテピア総研では、中国における原子力開発利用状況を初めて体系的に網羅した「中国原子力ハンドブック2008」(A4版、350頁、28万円)を1月末に刊行している。内容は、第1章「中国のエネルギー・環境情勢」、第2章「原子力開発の現状と計画」、第3章「原子力発電の現状」、第4章「原子力発電機器供給・核燃料サイクル産業」、第5章「原子力産業従事者の現状と見通し」、第6章「エネルギー・原子力行政」、第7章「原子力安全確保と防災」、第8章「原子力関連法規」、第9章「原子力発電所の許認可」。

問合わせは、テピア総合研究所・窪田秀雄副所長(電話 03−5857−4862、Eメール kubotaho@tepia.co.jp)まで。

*注1:偏がサンズイ、旁が章、*注2:偏がサンズイ、旁の上が立、下が口


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