[原子力産業新聞] 2008年6月26日 第2434号 <1面>

原産協会が通常総会 今井会長体制が2期目 秋元副会長退任、後任に佃氏

日本原子力産業協会は20日、第58回通常総会を東京・丸の内の日本工業倶楽部で開催した(=写真)。今井敬会長をはじめ新体制になって2年を経過して、平成19年度の事業報告・決算、20年度事業計画・予算を原案通り承認したほか、任期満了に伴い5理事の退任と新6理事の就任を決めた。今井会長、服部拓也理事長は留任し、秋元勇巳副会長が退任、新副会長に佃和夫・三菱重工業会長を選任した。

今井会長は開会の挨拶で、現在の原油価格130ドルを超える状態について「いまや第3次石油危機との声も出始めている」と指摘した後、4月の原産年次大会で福田首相から原子力の重要性を強調した力強い所感をいただいた、と紹介した。

世界的な原子力ルネッサンスの流れを現実のものとするために、同会長は「世界最高水準の原子力技術と豊富な経験をもつ我が国が、プラント建設から運転支援、人材の育成に至るまで、持てる力を十分に発揮していくことが重要だ」と述べた。

また、昨年7月の新潟県中越沖地震の発生からもうすぐ1年が経過する中で、柏崎刈羽原子力発電所の全7基がいまだに停止していることについて、「国家的、国民経済的にマイナスの面が極めて大きい」と指摘し、「必要な耐震安全性の向上の対策を講じ、立地地域および国民の理解のもとに、できるだけ早い時期に運転が再開されることを望む」とした。

総会では来賓として、岸田文雄・科学技術政策担当大臣、松浪健四郎・文部科学副大臣、中野正志・経済産業副大臣が挨拶した。

退任する秋元副会長は旧日本原子力産業会議の改革から説き起こし、「これからは原子力産業界としての一体感が重要。日本は非核兵器国で唯一燃料サイクルを許されている国であり、その総合団体としての原産協会の役割は重要だ」と述べた。

新しく副会長に就任した佃氏は、「世界的に原子力ルネッサンスと言われている。安全・安心を基本に、物造りの力を一丸となって発揮していきたい」と抱負を語った。


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