[原子力産業新聞] 2008年6月26日 第2434号 <3面>

加カメコとカザフスタンが新会社設立 カザフに転換工場建設へ

カナダの大手ウラン生産業者であるカメコ社は3日、カザフスタンの国有原子力企業であるカザトムプロム社と、ウラン転換の新しい有限責任事業組合となる「ウルバ転換LLP」を設立することになったと発表した。

これはカザトムプロム社がウスチ・カメノゴルスクで操業しているウルバ冶金工場敷地内に、年間生産能力1万2,000トンUの六フッ化ウラン生産設備を建設するというもの。これは世界のUF需要量の約17%に相当するという。

所有権はカザフ側51%、カメコ側が49%となっており、両者はすでに昨年、ウラン転換能力とウラン生産量の拡大を目的とする了解覚書(MOU)を締結済み。カメコ社はカナダのポート・ホープ転換工場(UF生産能力1万2,400トン/年)で培った技術を新たなウラン転換工場に提供することになるとしている。新会社の事務局長には、ウラン探鉱のJVであるアクバスタウJSCのA.ベルヤロフ事務局長が任命された。

今後両者はMOUに基づいて協定を締結することになるが、予備評価結果に基づいて転換工場計画を評価するため、実行可能性評価の第1段階を開始することで合意に達している。作業資金は所有権の比率に応じて両者が負担し、2009年中に作業を終える計画だ。

なお、両者はこのほか、カザフスタンのインカイ地区で試験採掘中のウラン鉱山の生産量を将来、年間1,040万ポンドまで拡大する計画であることを明らかにした。同ウラン鉱床では現在、カザトムプロム社が40%、カメコ社が60%の出資比率で運営するJVがフル・スケールの源位置リーチング採掘所と工場を建設したところ。2010年の年間生産量520万ポンドを目標に、今年中にも商業生産を開始したいとしている。


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