[原子力産業新聞] 2008年7月17日 第2437号 <2面>

産業分野別の課題を集約 人材パートナーシップ 着実なフォロー求める

人材育成に関する産学対話の場である「産学人材育成パートナーシップ」は、6月27日の全体会議で、各産業分野別の分科会での議論を集約した中間とりまとめを行い、産学が共有すべき課題を抽出した上で、その解決に向けた具体的取組への着実なフォローアップを図っていくことが重要との考えを示した。原子力分野では、07年度より開始した「原子力人材育成プログラム」の枠を超えた中長期的課題として、「原子力人材育成協議会」の下で、「人材育成の中長期ロードマップの作成」、「原子力分野の人材需給および就職状況等に係わる定量的分析」をもとに、具体的ビジョンを策定していくことを掲げた。

本パートナーシップでは、情報処理、原子力、経営・管理、資源、機械、材料、化学、電気・電子、バイオの各業種別に、求められる人材像を議論した上で、人材育成での課題を、@産学双方が協働で行動すべきものA主に産業界のイニシアティブが必要なものB主に大学界のイニシアティブが必要なもの――の3分類に整理した。

産学双方に係わる課題としては、大学界における人材育成と産業界における人材育成・活躍との効果的な接続、産学共同による人材育成プログラム等の開発、グローバルな視点による人材育成、産学双方向の人材交流、各分野における魅力の向上とその発信をあげた。産業界に係わる課題では、人材育成ニーズの明確化、優秀な人材を惹き付ける取組、採用活動のあり方、産業界としての戦略的な人材育成・活用方策の確立、インターンシップ受け入れ等の大学の教育への協力を、一方、大学界に係わる課題では、基礎知識・専門知識の十分な定着と産業界のニーズを踏まえた教育の充実、教員の教育力の強化、教員がより公平に評価され教育へのインセンティブが適切に付与される仕組み作り、大学間の連携の充実、初等中等教育等に対する波及方策の検討を指摘した。

その上で、分野横断的施策として、産学連携によるインターンシップの質的向上・推進、産学人材育成グッドプラクティス集の策定・配布、就職活動における『倫理憲章』遵守のフォローアップ、学士課程教育の充実の取組における産学連携、社会人基礎力の育成・評価手法の検討、人材の国際化をテコとする企業の人材マネジメント改革を掲げ、本年度以降、具体的取組を推進し、社会の変化に柔軟に対応できる人材育成・活用システム構築を目指す。


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