[原子力産業新聞] 2008年7月17日 第2437号 <2面>

制御室の居住性評価へ 原子炉安全WG 内規化の審議開始

総合資源エネルギー調査会の原子炉安全小委員会・安全評価ワーキンググループ(中央制御室の居住性)は9日、第1回会合を開催、原子力発電所の中央制御室を放射線や有毒ガスから防護するためのガイドラインの審議を開始した。保安院は同ガイドラインを内規化し、今年から来年にかけてプラント毎に、これらの防護の評価および必要な対策を指示する。

同ガイドラインは、事故等が発生した場合でも運転員が中央制御室にとどまり、各種の監視、操作が行える環境(居住性)の確保を求めるもの。保安院は関西電力・美浜3号機の二次系配管破損事故で中央制御室に蒸気が浸入したことを受け、制御室居住性検討ワーキングチームを設置、これまで事故時の放射線防護のガイドラインに関する検討を進めてきた。

同WGでの審議を踏まえ、今月中には放射線防護のガイドラインを内規化し、来月中にはプラント毎の評価および必要に応じた対策の実施を指示する方針。今年度中には火災または事故による有毒ガスに対する防護もガイドラインを策定し、来年六月頃に内規化、プラント毎の有毒ガス防護の評価および必要に応じた対策を指示する計画としている。

緊急時の作業に係る放射線業務従事者の線量限度は告示で100mSvと定めており、中央制御室もこの制限値により居住性確保を求める。被ばく評価には制御室に流入した外気の正確な量を測定する必要があるため、今回、空気流入率測定試験ガイドラインもまとめた。

ガイドラインを基に、日本電気協会はJEAC化を進めている。


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