[原子力産業新聞] 2008年7月17日 第2437号 <3面>

カメコと三菱商事 豪州でウラン鉱山の権益を取得

カナダの大手ウラン生産業者であるカメコ社は9日、三菱商事の豪州現地法人である三菱デベロップメント(MDP)社と設立した合弁事業体が、オーストラリア西部でリオ・ティント社が保有するキンタイア・ウラン鉱山の権益を4億9,500万ドルで獲得することで合意したと発表した。

この合弁企業体はカメコとMDPの出資比率が7対3であることから、同鉱山の権益買収経費も同じ比率で負担する。手続きを進めるには西オーストラリア州政府の認可および同鉱区の先住民権を有するマルトゥ族の合意が必要だが、現在、州政府は新規ウラン鉱山の開発を禁じているため、手続きの完了時期については未定となっている。

豪州では1996年に当時の保守連合政権が、既存の3鉱山以外の開発を禁じた「3鉱山政策」を連邦政府レベルで撤廃。07年には各州の政権を握っている労働党も、4月の党大会で同政策の正式撤回を決めている。しかし、西オーストラリア州の労働党政府はウラン鉱の探査は認めるものの、開発には反対の立場を堅持。同州のA.カーペンター首相は13日、「政策の撤回は考えていない」と発言したと伝えられている。

キンタイア鉱山はパースの北東1,250kmに位置しており、1985年に初めてウランが発見されたが、88年にウラン価格が12ドル/ポンドを下回って以降、現状維持・管理状態に置かれていた。その後のウラン価格上昇を受けて、07年にリオ・ティント社は売却プロセスを開始。カメコ社の調査では、平均品位0.3%〜0.4%のUが6,200万〜8,000万ポンド埋蔵されていると見積もられる。


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