[原子力産業新聞] 2008年7月17日 第2437号 <3面>

仏・安全局 全機のSGで予防措置を指示

フランスの原子力安全局(ASN)は6月20日、仏国内で稼動する原子力発電所の蒸気発生器について、安全予防措置を取るよう4月24日付けで仏電力公社(EDF)に書簡を送っていたことを公表した。

EDFに対するASNの指示内容は、SG伝熱管の破断リスクを低減するため、9月30日までに国内の全原子炉(PWR59基)で振れ止め金具の取り付け不具合で支持が不十分になっている伝熱管のすべてを施栓すること、および一次系と二次系の間のリークを探知する対策の強化――などとなっている。

ASNの書簡によると、仏国では90年代に90万kW級PWR34基で約1,500本の伝熱管を施栓したが、今年2月になってフュッセンハイム原子力発電所2号機(PWR、92万kW)で、一次系および二次系間の冷却回路でリークが探知された。原因は基準を満たしていない伝熱管で施栓措置が講じられなかったためと考えられることから、ASNはEDFに伝熱管の割れの原因究明調査を命じるとともに、全原子炉での予防措置徹底を指示するに至ったとしている。


Copyright (C) 2008 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.