[原子力産業新聞] 2008年7月17日 第2437号 <3面>

IAEA 印のSG協定案を理事国に配布

国際原子力機関(IAEA)は9日、インドが米国との原子力平和利用協力協定を発効させるために必要なステップであるIAEA保障措置協定締結のため、インド政府の要請により保障措置協定案を理事国(35か国)に配布した。8月1日にはウィーンの本部で臨時理事会を開催し、同協定案の承認について協議することになっている。

同協定案はインド外務省が10日付でウェブサイト上に公表しており、前文には保障措置の実施条件として、インドがエネルギー供給保証と環境保全のために3段階の国家原子力計画を推し進めること、民生用と軍用の原子力施設を区別し、民生用施設をIAEAに申告すること、インドへの燃料供給が途絶しないよう国際的な燃料市場へのアクセスが保証されること、外国からの燃料供給が途絶した場合、インドの原子炉が継続して運転できるよう是正措置を取ること、などが明記されている。申告対象となる原子力施設や核燃料物質のリストを記載した付属文書については公表されていない。

今後、国際社会における手続きとしてはこのほか、日本を含む原子力供給国グループ(NSG)45か国がインドへの核関連輸出規制を例外扱いとすることが必要。

さらに、インド国内の野党合意や米国議会で二国間協定の承認を得なければならないが、米国議会は8月の2週目から約1か月間の休会に入るため、11月の米大統領選までの発効は難しい状況になってきている。


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