[原子力産業新聞] 2008年7月31日 第2439号 <1面>

電事連が専門家派遣 「もんじゅ」の品質保証活動で

総合資源エネルギー調査会のもんじゅ安全性確認検討会(主査=大橋弘忠・東大院教授)は24日の会合で、特別な保安検査の結果と原子力機構の対応方針を審議した。この中で機構は、経営の現場への関与の強化などを基本に行動計画を策定するとともに、近く電気事業連合会から設備管理や品質保証の専門家の派遣を受ける計画を示した。

保安院は、ナトリウム漏えい警報(誤警報)の通報連絡遅れや同漏えい検出器の施工不良などを重視、「もんじゅ」の特別な保安検査を先月中旬まで実施。合計12項目の改善事項を指摘し、今月末までに行動計画の提出を求めている。

今検討会では、機構が同日現在検討中の同計画策定の方針として、(1)経営の現場への関与の強化(2)品質保証の強化(3)業務の透明性の向上(4)外部からのチェック機能の強化――などを説明。「もんじゅ」への経営資源の重点化を図るとともに、チェック機能では、WANO(世界原子力発電事業者協会)や日本原子力技術協会などを活用。電気事業者の品質保証活動や安全文化醸成活動などの良好事例も積極的に取り入れたいと説明し、岡ア俊雄理事長は「電事連から経験豊富な数名の専門家を派遣して頂くことになった」とした。

委員からは「地元には運転再開の必要性を疑問視する声もあり、改めてその重要性を丁寧に説明すべき」、「通報連絡の遅れは社会的に受け入れられないことをはっきり認識すべき」、「機構全体の問題として、他の拠点も協力すべき」、「迷ったら通報するという体制が重要」、「マイナス情報の早期の公開はプラス情報になる」などの意見が出た。


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