[原子力産業新聞] 2008年7月31日 第2439号 <2面>

岩手北部で震度6強 六ヶ所、女川 原子力施設に異常なし

24日午前0時26分、岩手県北部沿岸地域の深さ108kmを震源とするマグニチュード6.8の地震があり、同県内の洋野(ひろの)町で震度6強が観測されたほか、北海道、東北太平洋側、関東地方にかけて、広い範囲に揺れが及んだ。

この地震による原子力関係施設への被害はほとんどなかった。

主な原子力施設では震央から約140km離れた青森県六ヶ所村にある日本原燃の燃料サイクル施設が一番近く、敷地内地表面での最大地震加速度は88.4ガル、原子力発電所では約150km離れた東北電力・女川発電所の基礎版上で63.2ガルだった。

日本原燃のウラン濃縮工場の遠心分離機では、24日も数台の遠心機が回転数低下を知らせる運転管理上の信号が出たため手動で停止しているが、その一部は地震発生後の0時28分にこの信号が出て、手動停止した。同社では、「遠心機の回転数低下信号は日常的に発生しているもので、今回の停止もそうした事象の一環であり、安全上の問題はない」としている。

女川原子力発電所では、定期検査中だった1号機の使用済み燃料プール冷却浄化系ポンプ2台運転中のところ、1台が停止したが、再起動し異常のないことを確認した。低レベル放射性廃棄物の雑固体焼却炉設備の廃ガス排風機が自動停止したが、再起動し異常のないことを確認。焼却炉設備は停止した。

なお、最大8,276戸に及んだ東北電力管内の停電は、24日までに復旧した。


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