[原子力産業新聞] 2008年8月7日 第2440号 <2面>

ウラン廃棄物処分基準を策定 安全委小委 クリアランスなど審議

原子力安全委員会の放射性廃棄物・廃止措置専門部会(部会長=田中知・東大院教授)は7月25日の会合で、ウラン廃棄物のクリアランスレベルなどの調査審議に着手することを決めた。同専門部会下に新設する「ウラン廃棄物埋設検討小委員会」で安全規制の基本的考え方、濃度上限値の整備等と合わせ検討する。

ウラン取扱施設等の運転や廃止に伴い今後、多量のウラン廃棄物発生が見込まれ、既に、原子力機構の人形峠ウラン濃縮原型プラントでは、遠心分離機が10年度頃からの施設の本格的廃止措置を前に解体を待っている状況。ウラン燃料加工メーカーでも、70年代からの長期運転で蓄積されたウラン廃棄物がさらに増え続け、あと10年で貯蔵庫が満杯になる事業所もある。原子力機構、日本原燃、燃料加工事業者4社は、50年度末までのウラン廃棄物発生量をそれぞれ約15〜17万本(200リットルドラム缶)と試算。廃棄物の抑制・再利用だけでなく、事業者がクリアランスに係わる技術開発を進める上でも、クリアランスレベル設定が重要としている。

安全委専門部会では既に、06年より、ウラン廃棄物のクリアランスについて検討を行ってきたが、研究施設等廃棄物の埋設処分に係わる法整備等、最近の動向を踏まえ、審議を本格化することとした。新設する検討小委員会では加工施設、再処理施設、核燃料物質使用施設から発生する金属、コンクリートなどの固形状物質のクリアランスレベルと、ウラン廃棄物処分に係わる安全規制の基本的考え方、放射能濃度上限値などを検討する。


Copyright (C) 2008 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.