[原子力産業新聞] 2008年8月7日 第2440号 <4面>

【わが国の原子力発電所運転速報】 7月の利用率、半年ぶり6割台 九州猛暑で日電力量記録更新続く

日本原子力産業協会の調べによると、08年7月の国内原子力発電所の稼働状況は、設備利用率63.1%、総発電電力量231億6427万kWh(対前年同期比8.8%減)となり、利用率が6か月ぶりに6割台に乗った。

今期は、定期検査に伴い停止していた日本原子力発電東海第二、北海道電力泊2号機、東北電力東通1号機、東京電力福島第一4号機、関西電力美浜2号機、同高浜1号機、九州電力玄海2、3号機の計8基662.8万kWが戦列復帰し、盛夏電力需要増に備えた。

昨夏の震災により、東京電力柏崎刈羽発電所は引き続き全号機が停止しているが、同社では、福島第二3号機の次回定検開始日を法定期限より17日間遅らせ、9月6日とすることを経済産業省に申請し、承認された。7月末時点、福島第1、2合わせ計909.6万kWで、首都圏の電力需要に応えている。

一方、関西電力美浜2号機は約1年ぶりに運転再開。同機は当初、昨秋にも定検を終了する予定だったが、蒸気発生器入口管台溶接部に認められた傷への対応等により、検査期間延長となった。同じく定検中の高浜3号機、大飯1号機も間もなく本格運転を再開する。

九州電力では7月上旬までに、定検中の玄海2、3号機が復帰し、同社の原子力全6基が稼働した。同社では、日電力量の最大記録を25、29日と相次ぎ更新。この間、福岡市では最高気温が35℃を越す猛暑日続きだった。

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昨夏以前から停止している炉を除くと、設備利用率は79.5%になる。


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