[原子力産業新聞] 2008年8月21日 第2441号 <1面>

「不拡散納得が必要」 日印外相会談 平和利用協力で

訪印した高村正彦外相は5日、ムカジー外相(=写真左)と第2回外相間戦略対話を行った。

国際問題についてムカジー外相から、民生用原子力協力に関する米印合意への支持を求められたのに対し、高村外相からは、インドの民生用原子力利用は温室効果ガスの排出抑制につながるという意義があることは理解するものの、「日本は唯一の被爆国として核軍縮・不拡散、究極的な核廃絶という悲願に向けて努力しており、国際的な核不拡散体制に支障がないことを納得する必要がある」と述べた。またインドに対して、「引き続き、NPT加入、CTBT署名・批准を求めていくという姿勢に変りはない」と伝えた。

二国間関係では、今年秋に予定されているシン首相の訪日に向け、今後の安全保障協力の方向性を検討していくことを確認した。人的交流や学術交流については、新設インド工科大学への協力について意見交換した。

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高村外相は両国外相会談を行う前の同日午前、シン首相を表敬訪問した。

表敬後、現地で記者会見した高村外相は、米印原子力協定の件について聞かれ、シン首相から説明があったことを明らかにした後、温暖化ガス削減と核不拡散の両面の観点から、「原子力供給国グループ(NSG)での議論に参加していくことを申し上げた」と述べた。


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