[原子力産業新聞] 2008年8月21日 第2441号 <3面> |
モホフチェの完成計画で勧告 欧州委員会欧州委員会(EC)は7月15日、スロバキアが進めているモホフチェ原子力発電所3、4号機(=写真)(PWR2基、各44万kW)の完成計画について、欧州原子力共同体条約の第41条および44条の要求項目と照らし合わせた結果、「完全な格納構造を持つ原子炉と同等の安全性および保障対策が加えられれば建設工事再開を認める」との意見勧告を公表した。 スロバキア電力(SE)は1987年に44万kW級VVER/V213型炉となる両機の建設工事を開始したが、財源不足により92年に工事は中断。土木工事は70%、機器製造は30%まで進捗していた。07年にイタリア電力公社がSE株の66%を取得することとなり、同3、4号機完成のための財政支援を約束。総経費16億ユーロで2012〜13年までに両機の運転開始を目指しているが、完全な格納構造を持たない古い炉型であることから、ECによる計画の承認が条件となっていた。 ECは勧告の中で特に、投資者がスロバキア政府当局との緊密な連携の下、航空機の衝突など潜在的な外部要因の影響に対処しうるような追加機能や管理戦略が設計ベースで組み込まれることを要請。このほか、廃炉基金の管理と同様に、核燃料の供給を保証するという側面から燃料の供給源を多様化する重要性についても強調している。 |