[原子力産業新聞] 2008年8月28日 第2442号 <2面>

原子力委研究開発部会 分離変換で検討会を設置 7年ぶりに審議開始

原子力委員会の研究開発専門部会(部会長=大橋弘忠・東大院教授)は21日、約7年ぶりに会合を開き(=写真)、新たに研究開発の進捗状況の評価や推進のための方策などに関する審議を開始した。また、同部会の下に、大強度陽子加速器(J―PARC)計画の第U期計画である核変換実験施設の整備などを検討するため、「分離変換技術検討会」の設置を決めた。

同委員会は01年に同部会を設置、この下に原子力試験研究・革新炉・加速器の3つの検討会を設け、各種施策を審議してきた。今月19日の同委員会定例会議で、同部会の審議内容や委員の変更を決定。今回が新しい部会としての初会合となった。

部会は、国際社会での原子力への期待の高まりなどを考慮、「原子力研究開発に関し骨太の議論を行う」(近藤駿介委員長)方針だが、当面、政策評価部会が審議している原子力政策大綱で示す各種政策評価における研究開発分野を担う。

安全確保技術、核燃料サイクル技術、次世代軽水炉、FBRサイクル技術、革新的水素製造技術、量子ビームテクノロジー、基盤技術などに関し、関係機関からヒアリングなどを行い、今年度中には、評価や推進方策に関する報告書を取りまとめる予定。

「分離変換技術検討会」は、長寿命核種の短寿命核種への変換技術について審議する。J―PARCの核変換実験施設の整備に向け、国内外の動向と今後の技術展望の検討が大きなテーマになる見通し。座長は専門部会の委員でもある山名元・京大教授が務める。

なお、旧専門部会の革新炉と加速器の検討会は、今月19日付けで廃止となった。原子力試験研究検討会は継続するが、同検討会の審議事項である原子力試験研究費は、今年度から大学などにも開かれた「原子力基礎基盤戦略研究イニシアティブ」への移行が始まっている。


Copyright (C) 2008 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.