[原子力産業新聞] 2008年8月28日 第2442号 <3面>

仏アレバ・グループの08年・上半期決算 受注残高・売上ともに増加

フランスのアレバ・グループは7月24日、今年6月末までの上半期決算を公表し、受注残高は対前年度比13.6%増の381億ユーロに、売上高は14.8%増の62億ユーロに拡大したことを明らかにした。

受注残高のうち323億ユーロは原子力関連で、アレバは上半期にフロントエンド分野で日本と米国の電力会社、および仏電力株式会社(EDF)と総額10億ユーロを超える複数年契約を締結したと説明している。バックエンド分野では、米国にMOX燃料製造工場を建設する関係で米エネルギー省(DOE)と契約を結んでいる。

グループ全体の販売収益のうち、国外での売上げは14.3%増の42億ユーロで、総売上高の68.6%に達している。事業分野別で見てもすべての分野で収益は増加しており、原子力関連事業は15.9%の伸びだった。

フロントエンド分野の売上は、10.9%増加して14億8700万ユーロ。外国為替相場が5200万ユーロのマイナス影響を及ぼしたとしている。中でも輸出が好調で、ウラン探鉱と濃縮はアジア地域で特に好調だった。燃料販売は、搬入のタイミングでマイナス影響を被った前年同期と比較すると主に欧州で堅調だったとしている。

原子炉およびサービス分野については、27%増加して14億6600万ユーロという結果だった。大型の原子炉建設計画が進展したため収益は倍増。原子力サービスについては米国向けが手堅く、複数の蒸気発生器の取替え需要があったほか、定期検査も前年度より早い時期に実施されたと説明している。

バックエンド分野は8.7%増加して9億3000万ユーロの収益を上げた。前年同期とは対照的にラアーグ再処理工場の事業が非常に好調だったほか、米国でのエンジニアリング計画(サバンナリバーのMOX燃料製造工場とハンフォードのタンク・プロジェクト)が開始されたことを主な理由に挙げている。また、ロジスティクス関連ではキャスクの製造が特に堅調だったとしている。


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