[原子力産業新聞] 2008年9月4日 第2443号 <2面>

炉主任「意見交換は当面継続」 鈴木安全委員長

原子力安全委員会と国内全原子力発電所の原子炉主任技術者との意見交換会が8月29日、中央庁舎で行われた(=写真)。発電設備総点検を受けた取組で、昨年5月に続き2回目。日常業務とトラブル発生時の炉主任技術者の活動について報告を受け意見交換した。

冒頭の挨拶で、鈴木篤之安全委員長は、総点検結果の反省を踏まえた信頼回復への意識高揚が「熱しやすく冷めやすい」とならぬよう、当面の間は意見交換会を続けていく考えを示した。

昨年の省令改正による炉主任技術者の独立性担保の要求については、ライン業務を持たない専任の職位として、社長に対し直接報告し、指示を受ける立場に位置付けるなど、多くの発電所で地位・権限の明確化が図られている一方で、日常的には日々のミーティング出席、現場パトロール、所員への教育・訓練などを通じ、発電所内関係者とのコミュニケーションに努めている状況も明らかとなった。

東京電力柏崎刈羽発電所からは、中越沖地震発生時の対応を報告、「冷温停止の確保」の徹底、訂正をいとわぬ迅速幅広な通報連絡、余震発生に対するリスク対応を重点に、指揮をとった経緯が述べられ、地震発生直後からの組織的対応、外部電源規模のメリット、意図せぬ設計余裕が安全の支えとなったことなどが教訓としてあがった。


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