[原子力産業新聞] 2008年9月4日 第2443号 <3面> |
英・スコットランド環境保護局 LLW貯蔵庫 条件付で建設支持英国のスコットランド環境保護局(SEPA)はこのほど、ドーンレイ・サイト復旧会社(DSRL)が建設を計画している低レベル放射性廃棄物(LLW)用貯蔵庫について、「いくつかの条件が満たされれば建設計画申請書を支持する」との評価結果を明らかにした。 この計画申請書は英原子力公社(UKAEA)が2006年6月、地元のハイランド地方協議会に環境評価書を添えて提出していたもの。SEPAは原子力施設検査局(NII)などとともに同協議会からこの計画申請書の評価を依頼されており、同施設が特殊な特徴を持つとともにスコットランドで建設される施設としては初めての種類であることから、広範囲に審議を重ねたとしている。その結果、地元住民および環境を保護するために、建設工事段階における廃棄物の取扱い方法、あるいは地下水と地表水への影響評価や調査の計画など、建設方法に関するいくつかの条件を満たせばこの計画申請書は支持できるとの助言を地方協議会に伝えたもの。 同LLW貯蔵庫の建設が予定されているのはドーンレイの既存サイト東角に隣接する原子力廃止措置公社(NDA)の所有地。UKAEAの機構改革によって今年4月に新設されたDSRLはこのドーンレイの浅地層にコンクリート製の工学貯蔵庫を段階ごとに最大6基作るほか、セメント等の注入工場も建設する。完成すれば、サイト内の研究施設解体から出る固体廃棄物を最大17万5000立方メートル貯蔵することが可能になるが、この中にはドーンレイの操業初期に発生し、現在は閉鎖された浅層ピット内のLLWも回収して貯蔵することになるという。 DSRLの現在の計画では、貯蔵庫の建設工事には2011年に着手し、2014年に操業を開始。最終的に廃棄物をピットから撤去するのは2019年中頃になる。 |