[原子力産業新聞] 2008年9月18日 第2445号 <2面> |
対印対応の考え説明 外務省 NSGコンセンサスで原子力関連資機材の国際的輸出管理に取り組んでいる原子力供給国グループ(NSG)が6日、ウィーンで開催した臨時総会で、インドの自発的な核実験モラトリアムの継続等を条件に核不拡散条約(NPT)未加盟で核保有国となったインドを例外扱いとし、同国に対する原子炉や核燃料の輸出規制を解除するという米国提案をコンセンサス(全会一致)で承認した件について、外務省は9日、「NSG臨時総会の概要と我が国の対応」と題する文書を公開した。 それによると、我が国としては、(1)NPTに加入していないインドへの原子力協力が国際的な核不拡散体制に与え得る影響(2)アジア最大の民主主義国家であり、新興市場国家でもあるインドの重要性や、同国の原子力平和利用が、地球温暖化対策に貢献し得るという意義――といった観点を踏まえて、特に唯一の被爆国として、インドによる核実験モラトリアムの継続を重視しつつ、議論に参加した、と説明。 NSG臨時総会では、参加各国による激しい議論・交渉が行われたことを認めた上で、インドの例外化決定は、(1)インドの核実験モラトリアムの継続(2)民生用の原子力施設へのIAEA保障措置の適用(3)NSGガイドラインの遵守など厳格な輸出管理を含むインドのコミットメント(言質)および行動――に基づくものであることが明確にされたと指摘。それにより、インドに対する不拡散措置が現在より強化され、同国の原子力活動の透明性が高まると共に、国際的な核不拡散体制の外にいるインドによるさらなる不拡散への取り組みを促す契機となるものと、判断したことによる、と説明している。 その結果、我が国としては、インドによる核実験モラトリアムが維持されなかった場合には、(1)NSGとして例外化措置を失効ないし停止すべき(2)NSG参加各国は各国の原子力協力を停止すべきである――と明確に主張した上で、「大局的、ギリギリの判断として、コンセンサスに加わった」ことを明らかにしている。 |