[原子力産業新聞] 2008年9月18日 第2445号 <2面> |
1,200億円まで引受け 原賠制度改正 民間の保険プール表明文部科学省の原子力損害賠償制度の在り方に関する検討会は8日、第5回会合を開催、同賠償の紛争処理の在り方の見直しなどを検討した。また、日本原子力保険プールは、原子力損害賠償責任保険の引受能力(キャパシティ)について、最大1200億円までの引上げに応じることを表明した。 原子力損害が発生した場合の紛争処理は、政令により臨時に原子力損害賠償紛争審査会を設置し、和解の仲介や損害の調査・評価などを行うことになっている。今会合で文科省は、同審査会が紛争処理だけでなく、その前段階として当事者間の自主的な解決を促進する役割も担うべきとし、原賠法を一部改定する方針を提示した。賠償の範囲などに関する一般的な基準も同審査会で策定する。また補償契約に関する事務では重要事項を除き、保険会社に委託できるよう法制上の整備も行うとした。 一方、引受能力の引き上げの前提について日本原子力保険プールは、(1)法改正後の責任保険の担保範囲が、現行の責任保険と変わらないこと(2)保険料水準は海外再保険市場の保険料水準を勘案すること――などを挙げた。同プールは引き続き同市場との間で保険料率について、最大限の交渉を行うとした。 今会合では、主たる事業行為の終了後の損害賠償措置の合理化、加工・使用等に係る賠償措置額の小額特例の見直しも検討。事業終了後の付随行為は、事業行為と切り離し合理的な賠償措置額を創設し、小額特例は今回の法定措置額の600億円から1200億円への増額に合わせて現行の2倍、120億円を240億円に20億円を40億円に引き上げる。 |