[原子力産業新聞] 2008年9月25日 第2446号 <1面> |
原子力委検討会 分離変換技術の検討開始 国際協力含めシナリオ作成へ原子力委員会研究開発専門部会の分離変換技術検討会(座長=山名元・京大教授)は19日、初会合を開催、分離変換技術の研究開発の進め方などに関する検討(=写真)を開始した。今後、日本原子力研究開発機構や電力中央研究所から研究開発の進展状況などについてヒアリングし、技術的課題を整理。大強度陽子加速器施設(J−PARC)の第U期計画である核変換実験施設の整備などのインフラ整備や国際協力などを検討、年内に報告書をまとめる。 原子力委員会が分離変換技術開発の進め方を検討するのは2000年以来、8年ぶり。初会合では、日本原子力学会と原子力機構が分離変換の導入意義の定量的分析結果を説明した。 学会は、「分離変換・MAリサイクル」研究専門委員会の検討結果として、高レベル廃棄物の廃棄定置面積を約2平方kmと仮定した場合、現行の再処理では58GW×30年だが、分離変換などの導入により同じ面積で、58GW×150年が可能と分析。FBRサイクルの技術開発計画に、分離変換技術導入シナリオや開発ステップを明示すべきとした。 原子力機構もMAリサイクルにより、100年後以降のガラス固化体の放射能による潜在的な有害度を10分の1から1,000分の1程度に低減でき、発電電力量あたりのガラス固化体発生量をプルサーマルでは5割程度に低減できることなどを説明した。 分離変換技術は現在、原子力機構が湿式法の分離プロセスと、加速器駆動システム(ADS)やFBRの核変換プロセスを組み合わせる方式、電中研が乾式法とFBRを組み合わせる方式などを研究している。 |