[原子力産業新聞] 2008年9月25日 第2446号 <2面>

東京電力 柏崎刈羽7号低圧タービン羽損傷 「中越沖地震前から折損」と結論 負荷遮断 4回で点検実施へ

東京電力は19日、柏崎刈羽原子力発電所6、7号機(ABWR、各出力135万6,000kW)の低圧タービン動翼の損傷に関する原因と対策について最終的に取りまとめ、原子力安全・保安院に報告した。

同低圧タービンの損傷については、その点検結果を7月31日に報告済み。今回は原因と対策について報告した。

6、7号機の低圧タービンは各3台(A、B、C)ある。特に7号機B高圧タービン側14段の152枚中の1枚、C14段の同1枚の、全体合計912枚中の2枚の羽に損傷があったもの。

低圧タービンC第14段の折損した部分は、羽をローターに取り付ける部分で、食器のフォークの先のようなくし型の歯5本のうちの2本が切断していた。

詳細調査を行った結果、破断面には高サイクル疲労による縞状の模様があり、さらに酸化皮膜が形成されていたことから、昨年7月の中越沖地震によるプラント緊急停止以前からの高サイクル疲労により損傷したものと判断した。

原因については、緊急停止など負荷遮断時に給水加熱器からの蒸気の逆流により、第14段の動翼に振動を発生させる力が発生したものと推定。損傷破面の観察結果から、そのときの発生応力は疲労限界を上回り、亀裂が発生・進展し、破断したものと考えている。

対策としては、急激な負荷遮断が起こらなければ、傷は発生せず、ほとんど進展もしないと考えられることから、これまでの負荷遮断回数12回、フォーク部の損傷状況を考慮し、負荷遮断が4回に達した時点で点検することを決めた。

また、一部切断のあった第14段の羽はすべて新らしいものと交換する。


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