[原子力産業新聞] 2008年9月25日 第2446号 <3面>

廃液漏洩事象で補償対策 仏アレバ

仏アレバ・グループは8月27日、トリカスタンにある同グループ子会社で7月に発生した放射性廃液漏洩事象に対し、環境改善や住民の健康調査など総計2,000万ユーロの補償対策をとる方針であると発表した。

この事象は7月7日から8日にかけて、ウラン処理企業であるSOCATRI社のウラン貯蔵タンクから74kgの天然ウランを含有する廃液が地元の河川に流出したというもの。モニタリング計画に則った計測活動の結果、河川水の放射能濃度がほどなく通常レベルに戻ったことから、仏原子力安全局(ASN)では同事象を国際原子力事象評価尺度(INES)でレベル1と判定した。

しかしながら、アレバとしては同事象が引き起こした住民感情や疑問に対する配慮、および透明性のある誠実な政策というポリシーの下、同事象の全面的な調査に乗り出すとともに、同社施設の安全性について徹底的に審査することになったとしている。

また、地元住民らとは直ちに話し合いの場を持ち、環境分析や調査の進展状況についての情報を定期的に連絡するための役員などを選出した。7月末には、被害を受けた住民が適切な補償を得られるよう、地元ヴォークリューズ県の複数の町民ホールに苦情登録簿を設けることを決定。すでに個人や事業体から130件近い申請があり、8月12日付で第1回目の支払いが行われたことを明らかにしている。


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