[原子力産業新聞] 2008年10月2日 第2447号 <3面>

ウラン転換工場の運転再開へ 加・カメコ社

カナダのウラン生産業者であるカメコ社は9月16日、昨年7月のウラン漏洩事象によりオンタリオ州で停止中だった六フッ化ウランへの転換工場について運転再開の目処が立ったと発表した。

同工場では昨年7月、工場床からウランおよび生産に付随した化学薬品が土壌と地下水に漏洩する事象が発生したため、カメコ社は工場の操業を自主的に停止。漏洩の原因を調査するとともに短・長期的な対応計画の作成に取り掛かっていた。

地元であるポートホープ町議会への説明として、カメコ社はまず、広範囲な地下水管理対策と転換工場の大掛かりな改修および改善対策を組み合わせた点を強調。ウランや化学物質のさらなる流出を防止し、今後は二度と土壌への漏洩が起こらないよう万全を期す考えであることを伝えている。

同社が改修作業に投じた費用は合計5.000万〜5,500万カナダ・ドルで、漏れの原因や影響の究明、工場設備の復旧、影響を受けた地下水の集水システム設置などに使用。集めた地下水は、汚染物質を安全に除去するために気化させたとしている。工場内部は、大部分の床材を耐化学物質性のものに取り替えたほか、建屋下の汚染土壌も除去。漏洩を防止する集水坑周辺の格納構造を二重にしたり、地面にも感知センサーを取り付けている。

カナダ原子力安全委員会はすでに9月12日にカメコ社の運転再開計画を承認しており、同社は近々にも工場の操業を再開する見通しだ。


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