[原子力産業新聞] 2008年10月9日 第2448号 <1面>

日仏産業界が意見交換 核融合関連 仏企業11社が来日

フランスでの国際熱核融合実験炉(ITER)の建設、日本でも臨界プラズマ試験装置(JT―60)の改造や六ヶ所村でのITER研究を補完すると共に原型炉を目指した日EU共同プロジェクトである「幅広いアプローチ」(BA)が始動しつつある中で、フランスから11社の関連企業などが来日し、東京都内のホテルで2日、フランスでの開発状況や、各社のキーテクノロジーの紹介など、日本企業との交流セミナーを行った。

ユビフランス(フランス企業振興会)主催のセミナーでは、フィリップ・フォール駐日仏大使が開会挨拶し、今回の両国企業の交流に強い期待を表明した。日本政府を代表し、有林浩二・文部科学省研究開発局研究開発戦略官は今回の来日を通じて、「有益な情報交換がなされ、(両国産業界の)良好な関係が構築されることを期待する」と挨拶した。

日本の産業界を代表して講演した原産協会の石塚昶雄常務理事は、核融合技術者の減少や、最近の鉄鋼材料や超伝導コイル用のニオブなどの原材料が高騰していること、国際的な軽水炉市場の拡大に伴い工場の手当てが難しくなってくるといった「工程とコスト」の面で対応可能かどうかといった問題も出てきていることを指摘した。

フランスでは現在、機器の競争入札の準備を進め、技術仕様のファイルをネット公開している一方、約700社の関連企業が事前登録済みで、将来は約1200社まで拡張することを予定している。


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