[原子力産業新聞] 2008年10月9日 第2448号 <3面>

ユニスター社 ナインマイルポイントに US・EPR建設でCOL申請

ユニスター・ニュークリア・エナジー社は1日、米ニューヨーク州スクリバにあるナインマイルポイント原子力発電所サイトに、160万kW級のUS・EPR(米国の規制に合わせた欧州加圧水型炉)1基の建設を想定した建設・運転一括認可(COL)を9月30日付で米原子力規制委員会(NRC)に申請したと発表した。

同社は建設プロセスを具体的に進めるか否かの最終判断は、安全性やコスト、規制手続きの安定性、連邦政府や州政府、および地元の支援状況を見極めた上で下すとしているが、NRCでは今後、このプロジェクトに関する情報を一般に公開してコメントを求めるとともに、36〜42か月かけて包括的な審査を実施する。また、ニューヨーク州環境保全局(NYSDEC)および公益事業委員会(NYPSC)も、同プロジェクトの様々な側面について審査することになっている。

ユニスター社は2005年、仏アレバ社が開発した革新的なPWRであるEPRを北米の原子力市場に売り込むことを目的に、米コンステレーション・エナジー(CEG)社とフランス電力(EDF)が設立した合弁企業。アーキテクト・エンジニアとしてベクテル・パワー社が参加している。

米国内では差し当たり4基のUS・EPR建設が計画されており、ユニスター社としてすでに今年3月、メリーランド州のカルバートクリフス発電所に1基建設することを念頭に置いたCOL申請を済ませたほか、7月にはアメレンUE社がミズーリ州のキャラウェイ発電所に1基建設するためのCOL申請するのを支援した。さらに、今月中旬には、ペンシルベニア州へのUS・EPR建設についてもCOLの申請を支援することになっている。

ナインマイルポイント計画に関しては、8月21日にNRCが審査プロセスを説明するための公開情報会議をニューヨーク州立大学のオスウィーゴ校で開催。これには地元の一般市民を含め、コミュニティのリーダーや自治体職員、労働者組織のメンバーなど300名が参加した。同計画の支持者達は、ナインマイルポイント・サイトに原子炉が1基建設されることによって、ニューヨーク州で増大するエネルギー需要を賄うことができるほか、建設工事用に約4000名分の雇用が約束されるとともに、原子炉が操業段階に入っても360名分の常勤職が創出されると説明している。


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