[原子力産業新聞] 2008年10月9日 第2448号 <3面>

バフェット氏傘下のミッドアメリカン社 コンステレーション社を現金買収へ

米国最大の電力卸売会社であるコンステレーション・エナジー社は9月19日、大手エネルギー・サービス企業であるミッドアメリカン・エナジー・ホールディングス社が同社を約47億ドル(一株当り26.5ドル)で現金買収することで両者が最終合意に達したと発表した。これに伴いコンステレーション社は、18日の暫定合意通り、利率8%の優先株式10億ドルをミッドアメリカン側に発行している。

両社の取締役会が承認したこの合意は今後、米連邦政府および州政府からも承認を得る必要があるが、買収手続きは9か月以内に完了する予定になっている。ミッドアメリカン社は世界でも最も著名な企業投資家の一人であるウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ社傘下の公益事業会社。同氏がコンステレーション社を手中に収めたことにより、同社が米国内で所有する3つの原子力発電所(カルバートクリフス、ナインマイルポイント、ロバートE・ギネイ)の所有権がバフェット氏に移ることになる。このため、同氏の方針次第で米原子力業界の将来が左右されるのではないかとの懸念が業界内で広がっている。

また、コンステレーション社はアレバ社製の次世代型原子炉であるUS・EPRを北米で開発・操業することを目的に、フランス電力(EDF)との合弁でユニスター・ニュークリア・エナジー社を設立しており、バフェット氏はこれについても、株式の半分を獲得することになる。このため、EDFは19日、子会社を通じて10億ドルの緊急投資を含む対抗買収案をコンステレーション社に提示しているが、EDFはこれに対する回答がまだ来ていないことを明らかにしている。


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