[原子力産業新聞] 2008年10月9日 第2448号 <3面>

ブルースCで環境声明書提出 加・BP社

カナダ・オンタリオ州を本拠地とするブルース・パワー(BP)社は9月19日、ブルース原子力発電所の既存サイトに4基の原子炉を建設するプロジェクトについて、「環境に重大な影響が及ぶことはない」と結論づけた環境影響声明書(EIS)をとりまとめ、連邦政府に提出した。

BP社は現在、オンタリオ州でブルースA発電所(CANDU炉2基、各80.5万kW)とブルースB発電所(CANDU炉4基、各84万kW)を操業しているが、これらのうち5基は2015〜2020年頃に大規模な改修もしくはリプレースが必要になると見込まれている。このため、同社はこれらの既存のサイトに「ブルースC」発電所として、4基・400万kWの原子炉建設を計画。これらの運転が周辺環境に及ぼすと考えられる影響について、約2年間にわたって社会的および科学的に分析したところ、大きな問題はないとの結論に達したとしている。

この報告書は今後、カナダ環境評価庁(CEAA)が9月5日に設置したばかりの協同審査パネル(JRP)によって審査されることになるが、3名の専門家で構成されるJRPはこのほか、同プロジェクトに関する公聴会も開催。JRPとしての最終的な勧告がまとまり次第、連邦政府の内閣に提出する手順となっている。

これに関連してCEAAはすでに8月22日、カナダ原子力安全委員会(CNSC)と同プロジェクトに関するEISのガイドラインを公表。と同時に、JRPの果たす役割や環境評価および認可申請の審議に必要な情報の参照項目について明記した合意文書についても明らかにしていた。

なお、BP社は、これら4基の原子炉を2016年までに運開させたいとしているが、炉型の詳細については未だ最終決定に至っていない。


Copyright (C) 2008 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.