[原子力産業新聞] 2008年10月16日 第2449号 <1面>

米印原子力協定が発効 米国企業 インド市場に再参入

米国のC.ライス国務長官とインドのP.ムカジー外務大臣は10日、ワシントンで「原子力の平和利用分野に関する協力のための米合衆国政府とインド政府との協定(123協定)」に調印、同協定は正式に発効した。

米国務省は、これにより米国が原子力の民生利用分野でインドに協力するための法的枠組みが整備されたとし、劇的に拡大しつつあるインドの民生用原子力開発に、米国の企業が参入していくためのドアが開かれた、と説明している。

ブッシュ米大統領は同協定を承認するための法案(HR7081号)への署名に先立ち、同協定の発効が米印両国の関係を変革し、戦略的なパートナーシップをもたらすものだと述べ、その歴史的意義を強調した。特に、同協定は第6条で記しているように、インドに対して再処理の事前の同意を与えたことに言及。この同意は、当該再処理施設をIAEAの保障措置下に置く取り決めと手続きが締結されてから効力を持つことも強調した。また、米政府が核燃料の供給をインド政府に保証した点についても変更はないと付け加えている。

ライス米国務長官は、同協定発効の最も価値の高い意義について、原子力協力の緊密化を端緒として、21世紀における両国の戦略的パートナーシップが強化され、今後解決すべきエネルギー供給保証、地球環境変動、テロリズム、越境犯罪、大量破壊兵器の拡散などあらゆる分野で、協力していく可能性が拓かれたことだ、と強調。ムカジー印外相は調印後の記者会見で、同協定の発効について「米国とその他の世界の国々がインドとの民生用原子力協力と商取引を再開する出発点となった歴史的出来事」と賞賛。インドのエネルギー・ミックスにおいて原子力の比重を高めることは、インド産業の成長や僻地開発を促し、同国の持続可能な発展や貧困の撲滅に大きく貢献するだろうと述べた。


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