[原子力産業新聞] 2008年10月16日 第2449号 <3面>

米PPL社 サスケハナ発電所近郊に ベルベンド原発でCOL

米ペンシルベニア州を本拠地とする電力会社のPPLコーポレーションは10日、同社が州内のバーウィックで操業するサスケハナ原子力発電所の近郊に、新しく「ベルベンド原子力発電所」として160万kWのUS・EPR(米国の規制に合わせた欧州加圧水型炉)を1基建設することを想定した建設・運転一括認可(COL)を、同社の子会社を通じて米原子力規制委員会(NRC)に申請したと発表した。

1万ページにおよぶベルベンド発電所のCOLは、今後NRCが3〜4年かけて審査することになるが、審査の過程でNRCは一般住民の意見を取り入れる機会を十分持つ考え。PPL社としても実際に同機の建設に踏み切るか否かの判断を今後数年かけて下す予定であるが、NRCによるCOL承認に加えて、新たな投資家の獲得や電力市場予測も判断基準に含まれるとしている。PPL社はまた、NRCへのCOL申請のほか、政府による融資保証の第1段階の申請を米エネルギー省に対して行っており、これが受け入れられるか否かも重要な判断基準となる。同社は12月19日に締め切られる予定の第2段階の申請も行う計画だ。

なお、ベルベンド発電所となるUS・EPRは、EPRを北米で売り込むことを目的に設立されたユニスター・ニュークリア社による初期計画の4基のうちの1基。ユニスター社はすでに、カルバートクリフス発電所とナインマイルポイント発電所にUS・EPRを各1基、建設するためのCOLをNRCに提出したほか、アメレンUE社がキャラウェイ発電所用US・EPRでCOLを申請した際にも申請手続きを支援。今回のPPL社のCOL申請についても、同様の申請支援契約を結んでいたとしている。


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